だからね、
さっきから言ってるようにさ……。
分かったよ、ジョー。
ジョーだけじゃなく、
みんなの考えも書き出してみよう。
ジョーに、ヨータさんに、私。
今ここには3人いるから、
「Y」で行きましょうか。
待って。
今の話、私も言いたいことがある!
4人なら「X」ね。
インフォンもいるフォン!
5人いても、もちろん大丈夫。
「W」で行くわよ。
YとかXとかWとか……それ何?
XとYとZじゃないの?
多面的・多角的に見る
ある物事についてじっくり考えてみたいとき、さまざまな観点や視点から眺めてみること、つまり、多面的・多角的に見ることが大切です。例えば、好きなアニメについて考えるときには、ストーリー、キャラクター、作画、声優、演出などの観点から見ることで、そのアニメをより深く捉えることができるようになります。
多面的・多角的に見る方法
①Y/X/Wチャート
まず、用紙いっぱいに「Y」の文字を書いてみてください。そうすると、用紙を3つのエリアに区切ることができます。同じように大きな「X」を書けば、エリアは4つ、「W」を書けば、エリアは5つです。
Y/X/Wチャートでは、考察したい物事について、どんな観点・視点から検討するとよいかを決めることが、とてもだいじです。例えば、ある対象について、「視覚」「聴覚」「嗅覚」「触覚」の観点から捉えてみるとか、ある歴史上の出来事について、いくつかのターニングポイントから捉えてみたり、何人かのキーとなる人物の視点から捉えてみたりするとかといったことです。
観点・視点が決まったら、Y/X/Wのいずれかのチャートを選びます。つまり、3つの観点から考える場合にはYチャート、4つならXチャート、5つならWチャートを選ぶのです。そして、各エリア内に、設定した観点に沿って、情報や考えたことを書き出します。こうすることで、1つの物事を複数の観点から考察することができます。
また、同じ観点を設定したY/X/Wチャートを使って、一人一人が考えを書き出したうえで、それを持ち寄って、観点ごとにそれぞれの考えを比較するといった使い方もできます。
- ミニトマトの栽培について検討するための、Xチャートの例
- 持続可能なお店について検討するための、Yチャートの視点の例
- 中世の日本の社会の変化について考えるための、Xチャートの視点の例
- 快適な住空間について、誰がどの部屋を使うかを考えるための、Wチャートの視点の例
②フィッシュボーン(特性要因図)
フィッシュボーンは、もともとは製品の品質管理のために考案されました。製品の特性(結果=解決すべき問題)とその要因を魚の形に図式化したもので、起こり得る問題の原因を特定し、有効な対策を講じるための手法です。
これを応用すると、解決したい問題や考察したい課題について、多面的・多角的に考えることができます。まずは、魚の頭の部分に問題や課題を書きます。次に、大骨の部分に、問題や課題を考えるための観点・視点(大きな要因)を書きます。続いて、観点・視点ごとに具体的な内容を書き込みます。大骨や小骨は、数が決まっているわけではなく、増やしたり減らしたりしてもかまいません。
問題を、多面的・多角的な視点から具体化することで、より深い分析ができ、また、問題の解決策も考えやすくなります。
- 農業に関する問題解決のための、フィッシュボーンの書き方の例
そっか、人数じゃないのね。
5人で書くから「W」じゃなくて、
5つの視点から書くから「W」なのね。
分かったわ。
……。インフォンの考えは
聞いてくれないフォン?
大丈夫。ちゃんと聞くよ。
インフォンも、
「Y」「X」「W」を使って
たくさん書こうね!
教科との関連
- この内容は、中学校の次の教科で学習します。
- 社会 技術・家庭 保健体育 道徳