挫折の果てに陸上を諦めた走と清瀬は,素人集団10人で箱根駅伝に挑む。それは一人一人の,人生を変える戦いだった。
しかし,憤然と部屋から出ていくことはできなかった。こんなくだらない話につきあっていないで,さっさと自室に帰ればいい。そう考えても,なぜか体が動かなかった。心のどこかで,おもしろそうじゃないか,と囁く声がする。このまま,陸上界から離れた場所で,いつまでも一人で走るつもりなのか。それぐらいなら,竹青荘の住人たちと一緒に,箱根駅伝に殴りこみをかけたほうがましだ。試してみるのも悪くない。
(92ページより)
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電気工事業宇井敏伸
たった10人しかいない弱小の駅伝部が,箱根駅伝という大きな大会に挑戦する物語です。「走る」という単純なことにも,一人一人の考え方や個性が現れるのだと学びました。
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太陽光発電の運用管理髙木裕子
同じ学生寮に住む大学生10人が箱根駅伝を目指す話です。個性的なメンバー達が陸上競技を通じて成長していく姿が軽快で,応援しながら読みました。