いわ宿じゅく」の発見 まぼろしの旧石器を求めて

あいざわただひろ

  • 発行年
    1973
  • 出版社
    講談社
  • NDC
    913

厚い赤土層に残されていた,未知の石器文化。

紹介文

 古代の遺物にせられた相沢青年は,行商のかたわらひとりはっくつを続け,関東ローム層の赤土の中から石器を発見する。読みがれている日本人考古学者の自伝。

本文より

 私には,それがどれほどのものかはわからなかったが,そのするどさのなかに,人間の歴史のもたらすあとのようなものを感じとらないわけにはいかなかった。ひょっとしたら,いま自分が立っている大地の赤土の下に,れいめいの祖先の生活の跡があると思うと,まったくふしぎな気がしてくるのだった。私はなおがけの断面をつぶさに見ながら,さんぺんだけだったが同じような石のはくへんを採集することができた。
(106ページより)

  • テーマ・ジャンル
  • 歴史・地理 人生・生き方 伝記