少年H

妹尾せのお河童かっぱ

  • 発行年
    1999
  • 出版社
    講談社
  • NDC
    913

昭和初期,幸せに暮らしていた4人の家族。

紹介文

 こうの街で「H」の文字を編みんだセーターを着て育った少年。おだやかに暮らす4人家族も,いやおうなく戦争の波に巻き込まれていく。少年の目を通して太平洋戦争をえがく,作者の自伝的小説。

本文より

「君はセノオくんやね」と,街の中で見知らぬさんにいわれて,少年はギクッとした。
「なんでボクの名前知ってるの?」と,不思議がってたずねると,
「君の胸に書いてあるがな。名札つけて歩いてるようなもんやからな」と小父さんは笑った。
(上・ぼうとうより)

  • テーマ・ジャンル
  • 日本の物語 家族 戦争・平和