名探偵の推理と活躍を,助手ワトスンが語る。
世界で最も有名な探偵,シャーロック・ホームズの活躍をえがいたシリーズ第1短編集。「赤毛同盟」「まだらの紐」などを収録。
「そりゃそうだろうさ」そう言いながら,ホームズは煙草に火をつけ,どさりと肘かけ椅子に身を投げかけた。「きみはたしかに見てはいる。だが観察はしない。見るのと観察するのとでは,大ちがいなんだ。」
(13ページより)
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書籍配本松本絵莉花
小学生の時に読んで,ホームズの性格があまり好きになれず,読むのをやめてしまったのですが,大学生になってから別の翻訳で読み返したところ,ホームズがとてもかっこよく思えたのです。翻訳によって物語の見え方が違ってくるという,言葉のおもしろさに気づくきっかけになった作品です。