そしてだれもいなくなった

アガサ・クリスティー

  • 発行年
    2010
  • 出版社
    早川書房
  • NDC
    933

いつまでも色あせない,推理小説のきんとう

紹介文

 10人の男女がいつわりの招待状で兵隊島に呼び寄せられた。過去の罪を告発するなぞの声がひびきわたり,古いどうようの歌詞をなぞるように,一人,また一人と命を絶たれていく。

本文より

 老人は降車口からプラットホームに転げ出た。たおれたままブロアを見上げた老人は,げんをこめて重々しく言った。
「お前さんに言ってんだ,若いの。最後のしんぱんの日が,すぐそこまで来とるんじゃ」
 座席にすわり直して,ブロアは思った。“おれなんかより,じいさんのほうが,よっぽど最後の日に近いんじゃないのか!”
(31ページより)

  • テーマ・ジャンル
  • 海外の物語 冒険・推理

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  • ネットワークエンジニア大川恵美

    ミステリー作家として人気のアガサ・クリスティーの作品は100冊以上あると言われていますが、全部集めてみようと思い立ち、いま30冊くらいです。面白い作品はいろいろとありますが、有名な作品を1つあげるとするとこの本になります。何度読み返しても、最後まで犯人が分からず、改めて、この人が犯人だったんだと気づくところが、すごい作品だと思います。