若い頃に挫折することがなぜ大切なのか,宗教と哲学の違い,欲望との正しい付き合い方などについて哲学的な立場から考え,「自分の意志をもつこと」の大切さを語る。
前の章で,「自己ルール」のありかたをもういちど理解し直すことは,青年期に行なうべき大きな課題である,と言いました。そのためには,第一に,自分の言葉をしっかりたくわえること,第二に,フェアな友人関係を大事にし,その中でさまざまなことがらや生き方をテーマにして“批評”しあうことが大事です。それが社会に出て,困ったときに自分を立て直す際の,最も基本のスキルになるからです。
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