長い鼻と短い鼻,笑われるのはどっち?(鼻)
杜子春は沈黙を守り通すことができるのか?(杜子春)
■鼻
顎の下までぶら下がる長い鼻に悩んでいる禅智内供。苦労して,何とか鼻を短くできたのだが,なぜか前よりも人に笑われてしまう。芥川龍之介のデビュー作。
■杜子春
自分が裕福なときはお世辞を言って追従するが,貧乏になると挨拶ひとつしてくれない。そんな人間の醜い心に嫌気が差した杜子春は,山奥で仙人を目指した。
禅智内供の鼻といえば,池の尾で知らない者はない。
(「鼻」冒頭より)
ある春の日暮れです。
唐の都洛陽の西の門の下に,ぼんやり空をあおいでいる,一人の若者がありました。
(「杜子春」冒頭より)