小こ泉いずみ八や雲くも集

小泉八雲

  • 発行年
    1975
  • 出版社
    新潮社
  • NDC
    933

日本文化を愛したギリシャ出身作家の作品集。

紹介文

 明めい治じ時代に日本を訪おとずれ,日本を愛し,島しま根ね県の松まつ江えに住んだラフカディオ・ハーンは,日本名を小泉八雲と名乗った。小泉八雲が発表した,怪談かいだん・奇き談だんものや日本文化を西欧せいおうに紹しょう介かいした作品が収録されている。

本文より

 顔に雪が降りかかるので,巳み之の吉きちは目をさました。小屋の戸は押おし開かれていた。雪明あかりで,中に一人の女が――全身まっ白な女のいるのが見えた。女は茂も作さくのうえに身をかがめ,息を吹ふきかけた――息はきらきら輝かがやく白い煙けむりのようであった。ほとんど同時に,女は巳之吉のほうへ振ふり向いて,彼かれのうえへかがみこんだ。彼は,叫さけび声をあげようとしたが,声をたてることができなかった。
(225ページ)

  • テーマ・ジャンル
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