たった一人で北欧に留学した高校生の体験記。
ムーミンを通してフィンランドに興味を持った筆者。抑圧された中学生活の中で自分を見失うが,生まれ変わるような覚悟でフィンランド留学に旅立つ。そこには日本とはちがう体験が待っていた。
「私もね,どっちが正しいかなんてわからないわ……わかってたら,この社会問題は解決してしまっているわね」と,先生が笑った。先生はこの話をうまくまとめようとはしなかった。ディベートの話題を持ちかけても,「正しい答え」など用意しなかった。先生は誰の意見も変えようとはせずに,本当に自由に生徒たちに語らせた。
(163ページより)
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