サメなどの軟骨魚類なんこつぎょるいは,体の中に「ぶくろ」がなく,泳ぎつづけないとしずんでしまう。一方,硬骨魚類こうこつぎょるい軟骨魚類なんこつぎょるい以外いがい魚類ぎょるい,つまりはカツオなどのほとんどの魚をふく条鰭類じょうきるいと,総鰭類そうきるい肺魚類はいぎょるいは,祖先的そせんてきはいをもつ原始的げんしてき硬骨魚類こうこつぎょるいから進化したと考えられており,はい痕跡器官こんせききかんであるぶくろをもっている。えら呼吸こきゅうになった器官きかんを,「き」としてさい利用りようしたものと考えられている。

もっと詳しく※東京書籍 高等学校理科用教科書「生物」より引用

魚類の進化

最初さいしょ脊椎せきつい動物は古生代こせいだいカンブリア紀末きまつあらわれた無顎類むがくるい(ヤツメウナギのなかま)である。これは魚類ぎょるいているが,あごやうきぶくろはなく,プランクトンをこしとってえさにしていたと思われる。デボンになると軟骨魚類なんこつぎょるい(サメるいなど)や硬骨魚類こうこつぎょるい現生げんせいの多くの魚類ぎょるい)などさまざまな魚類ぎょるいが進化した。原始的げんしてき硬骨魚類こうこつぎょるいには,咽頭いんとうおく原始的げんしてきはいがあり,それが呼吸こきゅう補助的ほじょてき役割やくわりたしていたと考えられている。また,総鰭類そうきるい(ユーステノプテロンや現生げんせいのシーラカンス)やはい魚類ぎょるいでは,ひれの内部に太いほねすで発達はったつしていて,これは浅瀬あさせの生活に適応てきおうしていたためと考えられている。