南西諸島海域・沖縄県西表島の北方約30kmにある鳩間海丘(水深約1,480m)の高さ約40mに及ぶビッグチムニーの頂上部©JAMSTEC/NHK
地球における生命の
起源については,まだ
未解明なことが多い。そのなかで,
海底の
熱水噴出孔の
周囲を
初期生命の
誕生や進化の場と考えて注目している研究者もいる。
熱水噴出孔では,高温の
熱水や
硫化水素,メタンなどが
噴出している。
熱水噴出孔 ©JAMSTEC
このような場所には,
硫化水素やメタンを用いて
有機物を
合成する
微生物を中心とした
生態系が
形成されているこのような
熱水噴出孔の
周りからは多様な
古細菌が見つかっていて,なかには100℃を
超える高温で
増殖可能な
古細菌が
単離され
培養されている。これらの
古細菌の
分類学的検討は急速に進んでおり,
熱水噴出孔に
特異的に
存在する
古細菌の
系統も明らかになりつつある。生育
環境が水深1000mを
超える
深海底であり,
観察や
採集が
極めて
困難な場所ではあるが,生命の
起源の研究や生物
遺伝子資源の
探索などの
観点から
精力的な研究が行われている。