新口(しんこう)動物の原始的(げんしてき)なグループは,ヒトデ,ウニ,ナマコなどの「棘皮(きょくひ)動物」である。やがて体の中に運動時の芯(しん)となる「脊索(せきさく)」が生じる。この段階(だんかい)の生物が,ナメクジウオやホヤなどの「原索(げんさく)動物」(「頭索(とうさく)動物」や「尾索(びさく)動物」)である。その脊索(せきさく)はさらに,機能的(きのうてき)な「脊椎(せきつい)」に進化し,高機能(こうきのう)な運動能力(のうりょく)をもつ,魚類(ぎょるい),両生類(りょうせいるい),爬虫類(はちゅうるい),鳥類(ちょうるい),哺乳類(ほにゅうるい)などの「脊椎(せきつい)動物」が誕生(たんじょう)する。

もっと詳しく※東京書籍 高等学校理科用教科書「生物」より引用

動物の陸上進出

植物が陸上(りくじょう)に進出して繁栄(はんえい)したことで,大気中の酸素濃度(さんそのうど)はさらに高くなり,動物の上陸(じょうりく)が可能(かのう)な状態(じょうたい)となった。
デボン紀末期(きまっき)になると,総鰭類(そうきるい)のなかまから,陸上(りくじょう)生活をする原始的(げんしてき)な両生類(りょうせいるい)が進化した。最古(さいこ)の両生類(りょうせいるい)として知られるイクチオステガは,陸上(りくじょう)で呼吸(こきゅう)をするための肺(はい)と,陸上(りくじょう)を歩行するための四肢(しし)を発達(はったつ)させていた。また,水中に比(くら)べて重力の影響(えいきょう)が大きいため内臓(ないぞう)を支(ささ)える役割(やくわり)をもつ肋骨(ろっこつ)も発達(はったつ)していた。その後の石炭紀(せきたんき)は両生類(りょうせいるい)の全盛期(ぜんせいき)となり,多様なグループが繁栄(はんえい)した。両生類(りょうせいるい)の皮膚(ひふ)は鱗(うろこ)に覆(おお)われておらず,また受精(じゅせい)と胚発生(はいはっせい)は水中で行われるため,生活の場は水辺(みずべ)に限(かぎ)られていた。この時代の両生類(りょうせいるい)は,魚類(ぎょるい)のほかに,昆虫(こんちゅう)やシダ植物を餌(えさ)とするものが多かったと考えられている。
一方,節足(せっそく)動物でもデボン紀末期(きまっき)になると陸上(りくじょう)生活をする昆虫類(こんちゅうるい)やクモ類(るい)が現(あらわ)れ,石炭紀(せきたんき)の地層(ちそう)からはゴキブリや,広げた翅(はね)の長さが80cmにもなる巨大(きょだい)なトンボの化石も見つかっている。この時代は温暖(おんだん)で酸素濃度(さんそのうど)が高かったと考えられている。

ハチュウ類の繁栄

古生代(こせいだい)の石炭紀(せきたんき)に,両生類(りょうせいるい)からハチュウ類(るい)が進化した。その後,中生代(ちゅうせいだい)になるとハチュウ類(るい)が大繁栄(はんえい)した。ハチュウ類(るい)は地上で繁栄(はんえい)した恐竜(きょうりゅう)だけでなく,水中には魚竜(ぎょりゅう),空中には翼竜(よくりゅう)などが出現(しゅつげん)し,地球上のあらゆる環境(かんきょう)に進出していった。ハチュウ類(るい)は体表に厚(あつ)い鱗(うろこ)をもち,体内受精(たいないじゅせい)を行い,卵殻(らんかく)の中で羊膜(ようまく)と呼(よ)ばれる胚(はい)を包(つつ)む膜(まく)が発達(はったつ)して胚(はい)が羊水中で発生するようになった。こうした性質(せいしつ)により完全な陸上(りくじょう)生活が可能(かのう)になった。恐竜(きょうりゅう)のなかには,群(む)れで行動したり,巣(す)をつくって子育てをしたりするものもいた。また,羽毛(うもう)が生えた肉食恐竜(きょうりゅう)も見つかっており,体温保持(ほじ)の役割(やくわり)があったと考えられている。中生代(ちゅうせいだい)の終わりになると,2億(おく)年もの長期にわたって繁栄(はんえい)した大形ハチュウ類(るい)はほとんど絶滅(ぜつめつ)した。またこれと時を同じくして,海中ではアンモナイトが絶滅(ぜつめつ)しており,地球規模(きぼ)での環境変化(かんきょうへんか)が起きたと考えられている。その原因(げんいん)として,地球に衝突(しょうとつ)した巨大(きょだい)いん石による地球環境(かんきょう)の大変動(へんどう)が挙(あ)げられているが,まだ定説(ていせつ)とはなっていない。

鳥類と哺乳類の繁栄

鳥類(ちょうるい)は小形の肉食恐竜(きょうりゅう)から進化したと考えられている。鳥類(ちょうるい)とハチュウ類(るい)の中間的な形質(けいしつ)を示(しめ)す始祖鳥(しそちょう)は,中生代(ちゅうせいだい)ジュラ紀(き)の化石として発見されている。始祖鳥(しそちょう)には,現生(げんせい)の鳥類(ちょうるい)にはなく,ハチュウ類(るい)にはある前肢(ぜんし)(翼(つばさ))の先端(せんたん)の指,歯,長い尾骨(びこつ)などがある一方で,羽毛(うもう)が前肢(ぜんし)や尾(お)にみられる。しかし,強力な翼筋(よくきん)をつけるための幅広(はばひろ)く大きな胸骨(きょうこつ)は発達(はったつ)していないため,飛行(ひこう)能力(のうりょく)は高くなかったと考え られる。現生鳥類(げんせいちょうるい)の直接(ちょくせつ)の祖先(そせん)は,化石の記録(きろく)などから白亜紀(はくあき)中期に出現(しゅつげん)したと考えられている。鳥類(ちょうるい)は新生代(しんせいだい)になって大発展(だいはってん)をとげた。 哺乳類(ほにゅうるい)の祖先(そせん)は,中生代(ちゅうせいだい)の三畳紀(さんじょうき)に出現(しゅつげん)していたが,中生代(ちゅうせいだい)の終わりまでは小形で,あまり多様化していなかった。白亜紀(はくあき)になると,現在(げんざい)の有袋類(ゆうたいるい)(カンガルーなど),単孔類(たんこうるい)(カモノハシなど),有胎盤類(ゆうたいばんるい)(有袋類(ゆうたいるい)と単孔類(たんこうるい)以外(いがい)の哺乳類(ほにゅうるい))の祖先(そせん)が現(あらわ)れた。白亜紀(はくあき)の終わりに恐竜(きょうりゅう)などの大形ハチュウ類(るい)が絶滅(ぜつめつ)して新生代(しんせいだい)になり,寒冷(かんれい)化や乾燥(かんそう)化が進むにつれ哺乳類(ほにゅうるい)は大発展(はってん)をとげ,地球上のさまざまな環境(かんきょう)に適応(てきおう)していった。哺乳類(ほにゅうるい)の特徴(とくちょう)である体毛は体温保持(ほじ)の役割(やくわり)を果(は)たし,また,乳腺(にゅうせん)は子育てに使われる。